前にも記したことがあるのだが、時々「時」の流れに不思議な思いがすることがある。 時は永遠だ。悠久の太古から、一瞬とて休むことなく流れ続けている。われわれはほんのその一瞬に身を置いているに過ぎない。 未来から時は至り、現在となったかと思う間もなく、一瞬後には過去となっていく。 そういう中で、われわれは生きている。 ちょっと待ってくれと叫びたいこともある。だが、それは一切不可能だ。そうだとすれ…
なぁ、あれからどれくらい経つ? そうだなぁ 二十年・・いや、もう三十年だよ。 そうか・・・ もうそんなに経つんだ。 なんだ? 未だ、気にしてるのか? いや そういう訳ではないけどね。 でも 昨日のことにように思い出すことがあるんだ。 今でもね。 もう良いだろ? そうだな。 そうさ。 時の流れ・・・ ん? 時の流れが与えてくれるものは何だろう? 時の流れが? …
そして、マスターの他には女の子が一人。 常連客の下世話な下ネタにも明るく冗談で返すような快活で朗らかな女の子で <飲み屋の女の子>と言えば偏見になるかもしれないけど、それを恐れずに言うなら およそ女を売り物にしていない、むしろ女にしておくのがもったいないくらいサバサバとしていて 良く笑うその表情は屈託がなくて常連客の誰からも間違いなく愛されていた。 「留美ちゃんってさ。 こんな<道端>に咲…
楽しかろうと苦しかろうと 人間の生など知ってか知らずか 時はいつも淡々とその歩みを刻み続ける 人間の一生にとっては 時は単なる傍観者に過ぎない 幸せだとか不幸だとか それは時が決める訳ではない 人間がただそう感じているだけだ 時が何かを解決してくれることもない 人間がただ自分の心と 時間をかけて折り合いをつけていくのだ 時は流れるというけど その人間の一生を見た時 時は …