すぐ消える干潟の虹や春の雁 　佐藤惣之助 　ぞうり買ふ小家うれしき汐干かな　 蕪村 　とろとろと日を失ひぬ汐干潟 　吉武月二郎句集 　めつむりしままのごとくに干潟の夜　 加倉井秋を 午後の窓 　汐干潟浅蜊掘り出し味噌汁に　　アロマ 　一睡に干潟の遠く遠くまで 　佐藤 欽子 　林檎酒の泡ほどに人秋干潟 　加藤耕子 　赤子抱き干潟を進みくる男 　沢木欣一 　近道は干潟づたひや…

　日本語の美しきときリラの花 　後藤夜半 底紅 　暁け色となりてぞ冷ゆるリラの月　 奥田智久 　旅愁とも旅疲れともリラ冷に 　稲畑汀子 　押花の香りまだありリラの花　 小林 いまよ 　昼下りグラスにリラの小枝挿す　　アロマ 　珈琲啜るウィーンは遠しライラック　 今泉貞鳳 　喫茶店硝子窓からリラの木が　　アロマ 　空もまた暮れつつリラの色となる　 水原秋櫻子 　美術館開門前をリラ匂…