風の街スカーフふわりリラの冷え

 日本語の美しきときリラの花  後藤夜半 底紅

 暁け色となりてぞ冷ゆるリラの月  奥田智久

 旅愁とも旅疲れともリラ冷に  稲畑汀子

 押花の香りまだありリラの花  小林 いまよ

 昼下りグラスにリラの小枝挿す  アロマ

 珈琲啜るウィーンは遠しライラック  今泉貞鳳

 喫茶店硝子窓からリラの木が  アロマ

 空もまた暮れつつリラの色となる  水原秋櫻子

 美術館開門前をリラ匂ふ  関森勝

 藪巻となりてもリラは姿美し  古賀まり子

 溢れ出すリラの香りに酔い痴れて  アロマ
 
 ドレスは紫リラの花に似て  アロマ

 遠くから