「蔵座敷」の日記一覧

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夕泥む辺り薄紅花菖蒲

 咲きそめし彼岸桜のとどまらず  稲畑汀子  単線の鉄橋彼岸桜かな  秋田谷明美  江戸彼岸薄紅の花嫋やかに  アロマ  花菖蒲渓を埋めて過疎の村  稲岡長  花菖蒲水の昏さをさかしまに  保坂加津夫  明日開く夢のふくらみ花菖蒲  小島とよ子  巫女の手に雨の匂ひの花菖蒲  阿久津都子  花菖蒲花卉に生け白嫋やかに  アロマ  花菖蒲巡り朱塗りの膳につく  長…

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夜涼かな吹き入る風に紗幕揺れ

 山魚釣晩涼の火を焚きゐたり  水原秋桜子   島へゆく船のともづな解く夜涼  神並春枝  干網に晩涼の日のかゝりけり  鈴木花蓑 鈴木花蓑句集  平原の夜涼にたへて妻立てり  田村了咲   形そろへ朝涼の鯛五六枚  荒井正隆   彦三頭巾白鉢巻が夜涼呼ぶ  高澤良一 素抱  戦さ経し僧と語れり朝涼に  杉本寛  日月の盛砂涼気渡りけり  伊丹さち子   晩涼に池の萍皆動…

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雪明り小窓より部屋しらじらと 

 雪国にいて白鳥は菓子の白  和知喜八 同齢  雪国にこの空の青餅の肌  成田千空  雪国にちかづく田水うつろなり  松村蒼石 雁   雪国に住みつくと決め転職す  松尾緑富  雪国に住みて造花の手内職  成瀬正とし 星月夜  雪国に生れし妻の雪卸し  橋詰 一石  雪国に花鳥づくしの婚衣裳  筑紫磐井  雪国のひかりを紙に漉き込める  三森鉄治  雪国のぽとと点りて暗くなる  …

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雪降れば筒袖の綿入れを着て

 汽罐車庫うすけぶりたつ深雪かな  宮武寒々 朱卓  檸檬の黄窓辺に映えて聖夜祭  アロマ  段差また段差根雪の温泉場  高澤良一 寒暑  海苔掻に粉雪ちらつく手元かな  高橋淡路女 梶の葉  温泉上りの身の柔らかし深雪の夜  殿村莵絲子 牡 丹  温泉場雪掻き根雪ひっぺがし  高澤良一 寒暑  田ひばりや暮雪に声のまぎれずに  千代田葛彦 旅人木  雪降れば筒袖の綿入れを着て  …