雪明り小窓より部屋しらじらと 

 雪国にいて白鳥は菓子の白  和知喜八 同齢

 雪国にこの空の青餅の肌  成田千空

 雪国にちかづく田水うつろなり  松村蒼石 雁 

 雪国に住みつくと決め転職す  松尾緑富

 雪国に住みて造花の手内職  成瀬正とし 星月夜

 雪国に生れし妻の雪卸し  橋詰 一石

 雪国に花鳥づくしの婚衣裳  筑紫磐井

 雪国のひかりを紙に漉き込める  三森鉄治

 雪国のぽとと点りて暗くなる  長谷川双魚 『ひとつとや』

 雪国のわつと芽吹ける雑木山  坂本山秀朗

 雪国の朝はすがしや納豆汁  今城余白

 雪国の桜の花は小粒哉  正岡子規

 雪国