2021年10月28日(木)21:52 会員以外にも公開 夢路 夫の遺言 空は抜けるように青く空気は澄み渡っていて風が冷たい。 でも、陽射しのぬくもりがもわもわと一日中部屋の中 を温めていた。 そんな秋の一日、夫は何やらパソコンに向かって 書いていた。 ほどなく、カシャカシャとプリンターが作動する音が 聞こえてきた。 日がなパソコンの前に座って何か書き物をしている 夫なので、取り立てて気にも留めないでいた。 「これを読んでおいてくれないか!」と 彼はB5判…