2022年01月23日(日)00:08 会員以外にも公開 ペガサス 金木犀の香る頃に 蛙川諄一 第3回 第三章 疑惑 平日の午前十時過ぎの下りの新幹線はがら空きである。 3号車のE席に腰を降ろし、飛び去って行く窓外の景色をぼんやり眺めながら瑤子夫妻の在りようと自分たち夫婦をあれこれ比べてみる。 自分たちにあんな暮らしがあっただろうか? 夫が普段朝食もそこそこに慌ただしく出てい行くのは仕方がないとして、日曜の朝ぐらいはもっとゆったり出来ないものだろうか? (一度ゆっくり話し合っ…