「掌編小説  」の日記一覧

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掌編小説  太一と蛇

「太一、ゴリ番やぞ」 父の声が、寝ている太一の頭上で響いた。 「はよう、起きろ」 父の叱責するような声音に、太一は慌てて飛び起きた。すぐに起きないと、何が飛んでくるかわからない。太一の父は、口より先に手がでる。 ゴリの番はずっと祖父の役目だった。 その祖父が百歳まであと二年を残して、六月にぽっくりと大往生してしまった。 太一は、祖父が大好きだった。祖父の昔話は、大変おもしろくて、いつ…