いなづまに強き匂ひの梅を干す 　　野見山朱鳥 　どの粒となく匂ひきて梅を干す　 村田脩 　ふっくらと南高梅の味の良さ　　アロマ 　まだ生きむ執着ありて梅漬くる　 大場榮朗 　一生の残り時間の夜干梅 　岡本眸 　梅干のお茶漬けの素を愛用す　　アロマ 　梅干は海外旅行が好きらしい 　新井富江 　梅干に醤油垂らしておかか振り　　アロマ 　梅干を…

　水たまりひとつひとつの夕焼けて 　岡部名保子 　夕焼やカットグラスのリキュール壜　 佐藤午後 　 　大夕焼飛行機雲を溶かしたる　 峰尾秀之 　厨窓あかあかと染め大夕焼　 辻井ミナミ 　夕焼けを乱切りにして千枚田 　山中志津子 　夕五時の「夕焼け小焼け」日脚伸ぶ 　松岡和子 　若かりしあの日の夕焼小焼かな 　佐土井智津子 　飲み干すやグラスに残る大夕焼 　岡野里子 …

　水たまりひとつひとつの夕焼けて　 岡部名保子 　 　夕焼やカットグラスのリキュール壜 　佐藤午後 　舟洗ふ漁夫や夕焼背に負うて 　塩見育代 　夕焼やペダル踏む子ら一列に　 榎本佐智子 　夕焼けて影となりゆく舫ひ舟 　佐藤喜仙 　感嘆の夏の夕焼け殊の外　　アロマ 　夕焼の中なる五百羅漢かな　 白数康弘 　山峡へ消ゆる鉄路や夕焼空 　後藤眞由美 　夕焼の空おしみつつ…