櫛比するレトロ街並み夕焼けて



 水たまりひとつひとつの夕焼けて  岡部名保子
 
 夕焼やカットグラスのリキュール壜  佐藤午後

 舟洗ふ漁夫や夕焼背に負うて  塩見育代

 夕焼やペダル踏む子ら一列に  榎本佐智子

 夕焼けて影となりゆく舫ひ舟  佐藤喜仙

 感嘆の夏の夕焼け殊の外  アロマ

 夕焼の中なる五百羅漢かな  白数康弘

 山峡へ消ゆる鉄路や夕焼空  後藤眞由美

 夕焼の空おしみつつ雨戸閉ず  田坂和義

 夕焼の富士見通に雪の富士  西山美枝子

 多摩川の流れつづける夕焼かな  内藤静

 夕焼を運ぶ水上バスの窓  齊藤實

 夕