午後二時の薫風さそふペンダント 大島民郎 そよぐ風薫りたつ日の庭の木々 高木晴子 花 季 風香る日のパスタはジェノベーゼ アロマ ほおづえや太陽からの風薫る 五島高資 卵置く皿の余白を風薫る 松本三千夫 風薫る裏庭に戦ぐ木立にも アロマ さながらに薫風亭と名けけり 寺田寅彦 薫風の湾を弾ます新ヨット 百合山羽公 …
君のいる街 爽やかな春の朝 君のいる街へ出発 軽快にペダルを踏む心地よさ 道はうねって続く 若葉は煌めき 花は挨拶をしているよう 薔薇の生け垣が見えてきた 君の家は 奥まった洋館 ピアノの音が聞こえる 君の好きなシューベルトの曲だ 優しい音色 時に力強く 雪崩れるような演奏は まるで君自身のようだ 呼び鈴を鳴らすと 「どうぞ」という声 …
薔薇の卓午餐のフランスパンちぎる 石川文子 あえかなる薔薇撰りおれば春の雷 石田波郷 あかき薔薇視つつ誘ひをうべなへり 八牧美喜子 もっと胸張る洋弓少女 薔薇季の的 伊丹三樹彦 白薔薇は夕風に立ち揺れ傾ぐ アロマ 薔薇のとげぬき地蔵前四人下車 仁平勝 花盗人 薔薇のみにても人のみにても美しき 京極杞陽 薔薇のアーチ潜って薔薇園に アロマ その国…
汗とならず白湯の収まる夕の鐘 中戸川朝人 星辰 汗とばし娘はコンツェルト弾き終へし 稲岡長 汗のもの抛りて籠にをさまりし 波多野爽波 鋪道の花 汗かかぬ歩幅身につけ津軽妓女 鍵和田[ゆう]子 未来図 汗かかぬ気温12度が良しと思う アロマ 汗の手を借りてジャンクに乗り移る 橋本美代子 汗の手を気遣ひ乍らわが握手 稲畑汀子 汗の旅夢で橋白鳥となり 友岡…