2024年04月04日(木)01:29 会員以外にも公開 ひろこ 『邂逅』③ 「もうし。お頼みもうす」 「佐助らしいな。中は取り散らかしておる。よければ 入れ」 ムシロがけのかまぼこ小屋に似合わぬ明るい声が返って きた。 「まぁ、そこへなと座れ」 もっとも いくら佐助が小男でも立っているわけにはいか ない。中腰になっても小屋の天井に頭がつかえる。 「さっそくながら、これを」 佐助は慶長小判十枚を差し出した。 「ああ、そこに置いておけ」 ぞうさもない…