「井上靖」の日記一覧

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氷壁

昔、山登りを少し経験した。 山登りからダンスの世界に入った。 少し前に新しく登山靴も用意したが、山には簡単には行けそうにない。 熊との遭遇も恐いし、体力的な衰えや、その他危険な要素が多すぎて、気持ちはあるが、うかつには行けないと思っている。 遭難はしたくない。 今月の宅配DVDは「氷壁」を視聴している。 原作は『 氷壁 』(ひょうへき)は、 井上靖 の長編小説。1956年2月24日から…

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時代を感じる小説 井上靖「憂愁平野」

若い頃、(20代)とても人気があった本です。先に「氷壁」を読んでこの作家の本を次々読んでいました。 「氷壁」は登山のザイル事故をテーマにしたとても良い本だったと思いますが、「憂愁平野」は恋愛小説と言う他は覚えていないので図書館で探してみました。あったのですが何と広辞苑より分厚い全集になっていてとても持ち帰れないので丸善へ、古すぎてなかった。結局netで古本を買いました。普通の文庫本の倍以上の厚…

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井上靖「星と祭」

 私は本作を電子書籍で読了したが、紙書籍は絶版になっていた。その復刊プロジェクトが行われ、昨年復刊がされた作品。主人公の架山は7年前に不慮の事故で娘を失った。琵琶湖でボート遊びをしている時に突風で遭難。同乗していたボーイフレンド共々遺体は見つかっていない。架山は自分の娘が「殯(もがり・仮葬状態のこと)」の状態にあると強く認識し、事あるごとに心の中で娘と対話をしていた。最近はようやく娘を失った心の…

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井上靖「天平の甍」

 奈良の天平時代、日本は律令制度の下でようやく国家の体をなしてきたが、まだまだ政治や文化、仏教においても大陸の唐から学ばねばならないことがたくさんあり、遣唐使を派遣していた。仏教が日本に伝来してから180年経つが、まだ授戒制度が確立されておらず、課役を逃れるため私度僧が増えて社会問題になっていた。そのため、伝戒の師を招請するため4人の青年僧が遣唐使の一員として唐に送られた。4人は無事唐に渡ったが…

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有名人の言葉 その56 井上靖

「人間はだれでも自分の一生を成功だとは考えないまでも、失敗だとは思いたくない」(井上靖)  だいぶ昔の話だけれど、アメリカからのニュースで、私は日本の会社では社長の年収が平社員の年収とそれほど大きく変わらないことを知った。せいぜい二倍か三倍くらいだった。それならば、我が国においては何も苦労して出世する意味はあまりないではないか。一生平社員でよいのではないかと考えたのだ。まあ、世間的には成功する…

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「四角な船」を読んで

「四角な船」は井上靖氏の長編小説です この小説は読売新聞が連載小説として昭和45年9月から8か月間連載されていました。 井上靖といえば 氷壁.天平の甍・桜蘭・わが母の記・敦煌など沢山の小説を書かれています。 この本は先日「つちうら古書倶楽部」で買ったものです。 大洪水の襲来を確認して、琵琶湖に近い山中で、ひそかに ハコ船の建造を開始している一人物がいるという。 そして山中の旧い館に一…

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「月見草」29号

ほぼ1ヶ月遅れましたが、ようやく昨日「月見草」が出来てきました。平成の年号とともにスタートしたので、29号。毎年思いますが、早いような短いような・・・表紙絵の谷さんからもずっと続けてほしいとエールを送られていますが、こちらこそ、ずっと絵を描いてほしいという気持ちが強いです。彼女の絵でなくては駄目なのです。代用はききません。今年度は、白雪芥子。我が家にもかつてはありましたが、いつの間にか消えてしま…

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長浜市木之本町 「石道寺の紅葉」

琵琶湖の湖北・豊かな自然に囲まれた長浜の木之本町、石道の集落に 山の懐に抱かれるように観音像をお祀りしてるお堂が有ります お堂の厨子に納められた十一面観音像は 甲冑に身を固めた「持国天」と「多聞天」が両脇に控えて像高173cm。けやきの一木造りの彩色像で 平安時代後期の作と言われています 石道の信仰深い村人が度重なる戦から仏を護り慕い続けている観音様です 琵琶湖の周辺には41体の十一面観音像が有…

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おろしや国酔夢譚

井上靖の「おろしや国酔夢譚」を読了した。本書は、江戸時代後期に嵐に遭遇して漂流し、アリューシャン列島に漂着した伊勢の船頭大黒屋光太夫以下17名の運命を描いた長編小説である。  天明2年(1782年)12月13日、光太夫達と紀州藩の廻米500石等を乗せた神昌丸は、伊勢の白子の浦を出帆するが、江戸に向かう途中駿河沖で時化に遭い、舵を失って漂流する。漂流は長く続き、翌年7月15日に水手の幾八が島影を見…

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久し振りに井上靖の恋愛小説

唐木順三著『朴の木』講談社学術文庫、五木寛之著『世界漂流』集英社、井上靖著『ある落日』角川文庫の三冊を読了。 『朴の木』で、唐木さんは「私は、かねがね、真、善、美という価値体系が崩壊してしまったことが、近代のニヒリズムの根本原因だと思ってきた。いわば科学的真が、善、美を圧伏して独走してしまったことが、近代という時代の性格であると考えてきた」と35年前に書かれている。 原発に象徴される科学的真は…