禅僧になるには、禅師の下で禅の法式に従って得度しその弟子であるとの証明書を持ち、その上で専門道場で修行をしなければ禅僧としての資格が得られない。どこかの道場まで旅をして、専門道場に入ることを入衆という。ところが、これが一筋縄では行かない。最初は必ず断られる。当僧堂は満員で致し方ないというのが口実。それでも、新米僧は入衆を請い、門前、あるいは旦過寮という旅僧が一夜を過ごす寮の一室で座禅を組んで入…
人と話していてこんな質問を受けた。 「OASIMさんはどのような心境の変化があって、今の気持ちになっているのですか。」 私は答えた。 「もう20年くらい前のこと。当時単身赴任をしていて、夜にボーリング練習をすることにしていた。ボーリング場へ向かっている道すがら、横断歩道を渡ったときに、それは起きた。」 「何が起きたのですか?」 「自分の見ていた世界観や希望のない絶望感など、それらもろもろは、じつ…
鈴木大拙先生が紹介されている悟りのお伽話。 あるとき木樵が、木を切りに森に入ってあちこち木を切っていたら、ひょっこりと奇妙な動物が現れたという。 これは何だと思い、 「お前はなんだ?」と声をかける。その動物がいうには、 「私は、サトリというものだ。」サルじゃなくてサトリだという。 「そうか、そいつは俺が欲しくてならぬものだ。よし一つ捕まえてやろう。」 と思ったら、そのサトリという動物はいう。 「…
朝のがん治療の通院が終わってしまえば、今日はあとはな~んにもない休日だった。いやいや家内と買い物に出かける約束はあったけれど、久しぶりの休日を味わった。 このところ顔を出さなかった書店に立ちよりブラブラと背表紙を眺めた。ビジネス書のコーナーを眺め金融関係の本を眺め、ついでに宗教のちいさなコーナーを見た。 なんと最近出た本に目が止まり、速攻、2冊購入。 1.『鈴木大拙一日一言』 横田南嶺監修、…
鈴木大拙氏のアメリカでの講演録「真宗入門」を、約1年かけ、読書会にて読み終えた。小さな本であるが内容は大変ギュッと詰まったものがあった。禅者である鈴木大拙氏が、なぜ浄土真宗の根源を訪ねようと試みたのか、なんとなくわかる気がした。 ところで本の中ほどに、ヴォルテールの言葉を引用している。 「人を救うのは神の仕事であって、われわれにはまったく関係がない。それは神に任せなさい。われわれはそんなことで…
今日本屋さんでウロウロと宗教の棚を見ていたら 鈴木大拙氏の「真宗入門」という本が目に留まった。 大拙氏の書物は難解という印象があったが、 この本は欧米の聴衆に向けて書いたためか、 やさしく書かれていて私にも理解できる。 確か、氏は禅に精通されていたはずなので、 浄土真宗への着眼点は如何なるものかにも興味が湧いた。 また、最近 歎異抄を読んだりして浄土真宗に触れたのだが、 「阿弥陀仏の本願」や…