鈴木大拙「禅堂生活」

 禅僧になるには、禅師の下で禅の法式に従って得度しその弟子であるとの証明書を持ち、その上で専門道場で修行をしなければ禅僧としての資格が得られない。どこかの道場まで旅をして、専門道場に入ることを入衆という。ところが、これが一筋縄では行かない。最初は必ず断られる。当僧堂は満員で致し方ないというのが口実。それでも、新米僧は入衆を請い、門前、あるいは旦過寮という旅僧が一夜を過ごす寮の一室で座禅を組んで入衆の許可を待つ。どんな試練にも耐えうる覚悟がここで試されるのだ。およそ、5日ほどこんなことを繰り返すと禅堂に入ることを許される。

 その後も、著者の言葉によれば