さんが書いた連載天使と暮らしての日記一覧

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座禅が最高

今朝は5時5分起床。 天使のトイレ介助して、朝食、座禅が25分。 5年前の日記と比べて違うのは、 朝の散歩をしなくなったこと。 天使のリハビリ(1時間)をしなくなったこと。 昼寝もしないことが多くなった。 それ以外は、だいたい同じ。 5年前の座禅では、まだ下腹部と背中の あたたかさはなかったと思う。 下記は5年前の日記。 今日も多忙な一日だった。 朝、目覚めたら3時10分、 3時45分起床…

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親の幸せ

親の幸せ (天使と暮らして13) 私は、友人に会うと、 「娘が重度障害になれば、親は幸せになれるよ」 と言うのだけど、 わかってもらえない。 どんな苦難であれ、 遭遇した当初は皆とまどう。 苦難が大きければ大きいほど、 絶壁に、行く手を遮られたようで、絶望的になる。 しかし、試行錯誤して、じたばたしていると、 かすかな光が見えてくるようになる。 大事なことは、 できるだけ多方面へ助けを…

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風呂大好き

お風呂大好き (天使と暮らして13) 娘の風呂は週二回、 一回はデイサービスで、 もう一回は、訪問看護師が介助し、 我が家でシャワーと、全身をみてもらう。 娘は湯舟で、足を伸ばせば腰を落とすことができる。 だから、湯船の底が最低130cmくらいは必要。 我が家の風呂は普通サイズなので入れない。 シャワーキャリーしか使えない。 年に数回、家族風呂のあるバリアフリーの 温泉ホテルに宿泊し、温泉…

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祈り

祈り (天使と暮らして11) 食後の歯磨きは私の担当。 「マッサージ」と声掛けしながら。 歯磨きは、簡単そうに見えて、難しい。 人生のあらゆることが、 簡単そうに見えて、実は難しい。 私は頑丈な歯を親から受け継いだ。 友人の歯科医は、私の歯を 「丈夫な歯」だと言う。 しかし、不適切な磨き方を長年続けて、 かなりガタがきている。 歯ブラシの力の入れ具合、 持ち方や動かし方、 ブラッシング…

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夫婦喧嘩が楽しみ

(天使と暮らして10) 楽しみは夫婦喧嘩 娘の最大の楽しみは、食べること。 好物はパスタ、から揚げ、チョコ、甘いもの。 個々の食べ物への不満はなくて、 与えられるもので満足している。 「充分よ」、「幸せ」 といつも言う。 好物であっても、お代わりの要求はない。 「おやつが欲しい」と、求めもしない。 娘のちょっと変わった楽しみに、 「夫婦喧嘩」がある。 私たち夫婦は、共に難聴、相手の言葉…

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人が変わった

(天使と暮らして9) 右脳人に変身 日常会話の簡単な事柄も、 娘には理解できないことがある。 病気の話題になると、 「病気だったの、初めて知った」と言っていた。 (この文句は最近なくなった、 理解度が向上したのだろう。) 身体の調子を尋ねられると、 「至って健康」。 「いらっしゃいませ」は、 自分以外の他人に対し使われる言葉だが、 娘は自分で「いらっしゃいませ」と言いながら、 食事時に台…

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アルコールは卒業

アルコールは卒業 (天使と暮らして8) 入院中の病室は、ベッドだけの狭い部屋、 私物もたくさん置けない。 退院し帰宅後、娘に用意した部屋は 10年前まで塾に使っていた部屋。 車椅子で過ごせるようにフローリング。 まるで娘の病気を予期していたような広さ。 介護ベッドを設置し、娘が親しんできた、テレビや DVD,CD,ポスターやグッズに囲まれた部屋。 夕食後、好きな曲を毎日2曲、カラオケで楽…

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これでいいのだ、バカボン

天使と暮らして7 娘は、脳内出血の後遺症で右半身麻痺だが、 健常側の左手足の関節の拘縮がひどい。 左の肘関節は固着して動かない。 肩の可動域は両肩とも90度。 股関節も両側とも可動域が非常に狭い。 健常側の左手が口唇まで達するのに約2年かかった。 娘の日常動作は、自力で可能なものはとても少ない。 トイレ、車椅子への移動、着替え、洗顔、手洗い、 歯磨きのどれも、介助なしではできない。 約1年…

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ウンチ乾杯

(天使と暮らして6) うんち乾杯 約1年の入院中、 大変化やブレークスルーいえば、 一つ、帰省できたこと。 これにより、妻が共倒れになるのを防げた。 一つ、栄養補給が鼻腔から口にかわったこと。 これにより、毎日3回の食事を味わい楽しむことが できるようになった。 噛むことで意識レベルが向上。 一つ、意識の回復。 親の顔が分かるようになった。 入院中のリハビリにもかかわらず、 手足の関節…

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天使と暮らして4

親の顔が分からない 娘の発病後、東京で入院中の3ケ月間。 私は毎週、金曜午後から、日曜夕方まで、 東京へ往復した。 妻の支援と、娘のアパートの片付け。 親子は別人、性格も違う。 私は掃除好きだが、娘は苦手。 娘のアパートの掃除はおおごと。 毎週の往復が3ケ月、くたびれた。 私の体重は4kgダウン。 睡眠導入剤が必要になった。 帰宅後はおやじの介護が待つ。 3度の食事用意に家事万端。 土と…

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天使と暮らして3

もやもや病 「ガンバリンコ」と言いながら、 自分を奮い立たせている。 頑張り屋という自覚は、 娘のプライドに不可欠なのだ。 発病前は自信家で頑固、親や兄妹にも 本心を打ち明けない性格だった。 2012年春、32歳、 もやもや病で脳内出血。 東京のアパートの自室で意識不明で 倒れているのを発見された。 出血から治療開始まで、まる一日が過ぎ、 すでに手遅れの状態だった。 前日の食べ物を吐い…

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天使と暮らして その2

ガンバリンコ  ベッド脇のポータブルで排尿のあと、娘は 介護ベッドに連結した可動手すりを左手で つかみ、足の屈伸運動をする。  麻痺側の右足に体重をのせるのはできないが、 血行改善のリハビリとなる。  退院して自宅に帰ったとき、左右の足の 体温差に気づき、血行を良くするリハビリの 大切さを感じた。  週3回の訪問リハビリだけでは、麻痺側の 血行改善に程遠い。    退院後の半年間、私はベ…

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天使と暮らして その1

南無南無(なむなむ)  娘が発病し激変した生活の中で、興味深いのは、 同じやり取りを繰り返す恒例行事が大幅にふえたことだ。  例えば、娘は多い時、日に16回も ベッド傍のポータブルで小用する。  下着の着脱は介助を要する。体力低下で悩む 69才の私は足腰や腕に負担を感じる。 「どっこいしょ」と掛け声が口をつく。 「ファイト」と応える娘。 「年なの」と私。 「もちこたえてよ」と娘。 「神…

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天使の一日の始まり

5年前の日記が懐かしい。 まだ体力があった。 ・・・ 退職して一年になるが、 たまに仕事の夢を見る。 今朝のは、遅刻する夢。 吃音が治り、 吃音の夢を見なくなったのも 数年経ってからだった。 今朝、私は5時20分起床、 天使のおしっこを介助、 それから草取り用の鍬をもって公園へ。 15分ほど草取り。 それ以上すると、あとが心配。 不整脈や息切れなど。 続いて、公園内を散歩。 一周が約4…

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障害者計画

我が家の天使(娘)は昨日、初めて、 デイサービスでのトイレを全て独力でやったようだ。 帰宅して自慢していた。 ローマ法王が来日して、 「暴力は暴力を呼ぶ」というような趣旨を話していたのを 天使が聞いて、どうして。と尋ねる。 私が、分かりやすく説明しても、納得しない。 天使は抽象概念の理解が難しい(左脳が死んでいる)。 「暴力は嫌だ」、「暴力は痛い」は分かるという。 昨日は、周南市地域自立支援…

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進歩は突然に

我が家の天使(娘)は40歳を迎えて、 介護保険に移行した。 それで、いろいろと施設を回ったり、 リハビリのやり方も変えている。 外出しての障害者トイレの使用も、 ひとりで自力でできるようになりつつある。 昨日は、訪問看護の終わりに。 試しに、リハビリ杖を使ってのケンケンを やらせてみたら、 簡単にできた。 もちろん進みは遅い。 これなら、杖を使っての歩行も 可能になるかもしれない。 天使…

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天使と暮らして

久しぶりに天使のことを書く。 最近、著しい進歩があった。 まず、外出しての障害者用トイレ、 小用の場合、ほぼ自力で可能となった。 まだ、片足だけを使っているので、いくらか不安定。 何度か手すりにつかまったり、 ときに、便器に腰を下ろしたりしないといけないが、 今、麻痺側の足のつま先だけをつける練習をしているから、 そのうちにできるようになるだろう。 さらに、電動車いすの使用を考えている。 今…