さんが書いた連載創作物語の日記一覧

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竹の子供たち

ある村に大きな竹林がありました。 雪解け水が流れ出す季節になると、竹の子供たちが目を覚まし、勢いよく背伸びを始めます。 土の中でかぶっていた皮を脱ぎ捨て、どんどんどんどん成長するのです。 中でも日当たりにいい場所から芽を出した竹の子供の成長は優れていました。 「どうだ!俺様が一番背が高くなったぞ!」 「な~に、お前になんか負けるものか!」 竹の子供たちは競争しながら成長を…

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甘い口づけ(復刻版)

少しだけ汗ばむ手を握りあって、緩やかな坂道を下る。 「ねぇねぇ、百日の紅と書いてなんて読むか知ってる?」 突然に無邪気な笑顔で、彼女がなぞなぞのような問いかけをしてくる。 頭の中で三つの漢字を並べながら、この季節に咲く真っ赤な花を思い浮かべる。 さて、なんて答えてやろうか?などと考えてると、ふいにその花が目に飛び込んできた。 このあたりには百日紅の木を植えている家が多いようだ。 山が近いせ…

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ウグイスになりたかったニワトリ

コケッコッコー~♪ ニワトリは早起きです。 空がまだ明けきらないうちから、大きな声で鳴き始めます。  コッコッコ コケコッコー~♪ それはそれは村中に響き渡るほど元気いっぱいの鳴き声です。 一日中、だだっ広い裏庭を駆けずり回り、あっちに行ってはコッコ、こっちに行ってはコッコッコと大忙しです。  コケッコッコー~♪   コッコッコッコ コケッコッコ~🎵 ある日の事です。 そんなニワトリが…

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月と坊主

むかしむかし、とある村に小さな寺がありました。 その寺には一人の坊主がおりました。 坊主は甘いものが大好きで、特に餡子がたっぷりの牡丹餅が大好物でした。 「月に一度は牡丹餅が食べたいのう。」 そう考えた坊主は毎月の満月の夜に村人を集め、望月回向(もちづきえこう)を開くことにしたのです。 「皆の衆はお供えとして牡丹餅を作って持ってまいれ。わしは牡丹餅の代わりに有難いお経を唱えるとしよう。」 …

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感動計(ときめきバージョン)

「ほら、ワタシ今、ドキドキしてる。」 彼女は自分の胸に手を置いて、突拍子もなく話し始めた。 「ほらほら、ね。 分かるかな?」 「(*^‐^*)あはは、わかるわけないやん!」 「なんでぇ〜・・・じゃ、触ってみてよ。」 そういうと彼女はいきなり僕の手を握って、彼女の胸のふくらみに押し付けた。 20歳になったばかりの、微妙な反発力を持った胸のふくらみをもろに感じた僕は、思わずその手を振りほどくよ…