連載:創作物語

竹の子供たち



ある村に大きな竹林がありました。
雪解け水が流れ出す季節になると、竹の子供たちが目を覚まし、勢いよく背伸びを始めます。
土の中でかぶっていた皮を脱ぎ捨て、どんどんどんどん成長するのです。

中でも日当たりにいい場所から芽を出した竹の子供の成長は優れていました。
「どうだ!俺様が一番背が高くなったぞ!」
「な~に、お前になんか負けるものか!」
竹の子供たちは競争しながら成長を続けます。
「俺様が一番だ~!どうだ!悔しいか~?」
「チクショー!こんな事で負けるなんて!」


そんなある日、竹藪に雨が降り出しました。
竹の子供