さんが書いた連載今日の歌の日記一覧

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ひとり泣く 雨は冷たく、、日々、一歌115/365+1

日々、一歌115/365+1 ひとり泣く 雨は冷たく 林檎花の いさよふ瞳 うつつの夢と 「か」だろうけれど、「と」。「だろうか」ではなく、そうなだ、と。そして、ひとり泣くのは、自身なのか林檎の花なのだらうかという感じ、 ここ数日の句から、変異、変調、、 ところで、 あなたなる 林檎の雨の あなたなる も、いい、、、 不器男の あなたなる 夜雨の葛の あなたなる は、底なし、、

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山深く 誰が神ぞ坐す、、日々、一歌114/365+1

日々、一歌114/365+1 山深く 誰が神ぞ坐す 猟神塔 筑前国早良郡曲渕郷の、曲渕城跡でもある曲渕神社の奥に、「猟神」と刻まれた大きな碑がしめ縄をまとい坐る。猟の神様と云えば諏訪神。その本宮は、信州の諏訪神社。祭神は建御名方神と八坂刀売神。村の猟師殿が勧進しあうたらうか、、、

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水なもとの 雪を溶かして、、日々、一歌105/365+1

日々、一歌105/365+1 水なもとの 雪を溶かして 早緑は 燃え競ふらん 春ぞ来にけむ  やはり敵わん! そもそも志貴皇子という、その名さへ律動充満! 志貴皇子のよろこびの御歌一首 石走る 垂水の上の 早蕨の  萌え出づる春に  なりにけるかも 万葉集.巻八.一四一八 画/釧路湿原

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常世波 日の神還る、、日々、一歌98/365+1

日々、一歌98/365+1 常世波 日の神還る 海路より 遥かたゆたい 人をさらふ、と 折口信夫「妣が国へ・常世へ 異郷意識の起伏」 すさのをのみことが、青山を枯山カラヤマなす迄慕ひ歎き、いなひのみことが、波の穂を踏んで渡られた「妣ハヽが国」は、われ/\の祖たちの恋慕した魂のふる郷であつたのであらう。いざなみのみこと・たまよりひめの還りいます国なるからの名と言ふのは、世々の語部の解釈で、…

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うそ寒き 夜の戸叩く、、日々、一歌96/365+1

うそ寒き 夜の戸叩く まれ人の かそけき常世の 忍びくる雨 「うそ寒」は季語としては秋だ、と。お歴々はと見てみると、しかし、春にも冬にも使うておりゃる。季語などあてにはならない 常世、常世波、常世の雨、まれ人。釈迢空・折口信夫、、、 折口信夫「とこよ」と「まれひと」と、より 稀に来る人と言ふ意義から、珍客をまれびとと言ひ、其屈折がまらひと・まらうどとなると言ふ風に考へて居るのが、従来の語原説…

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新芽いで 、、日々、一歌93/365+1

日々、一歌93/365+1 新芽いで カササギつがい 家建つ 夫婦かとも思うけれど、音の強さ、勢いをとり「ツガイ・番」。結句はあえて字足らずで、旋律を崩して強く、、