さんが書いた連載俳句の日記一覧

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「読者」の意味

ツイッターには「固定ツイート」というものがあって、つねに最上位に掲示されるのだけれど、わたしはそこに「自選俳句22句」を置いている。 ※ツイッターアカウントは@tsudamitsugu そこにこんなリプがある。 >乗車券の句と肩車の句に胸を打たれております。 どちらも明るい景色が見えますが、その実、それらを懐かしむ寂しさが漂っていると思えるからです。 わたしはどきっとした。 次の二句…

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広報堂に業務停止命令

数年前のこと。 電話でとつぜん、 「あなたの俳句を拝見しました。とても鋭い感性で感服しました。とくに○○○という俳句がいいですね。」 「は、はあ・・・(喜ぶ)」 「ついては何句か紙面で紹介させて頂きたいと思いまして。」 「どうぞどうぞ(嬉しい)。で、どこで?」 「申し遅れました。こちらは広報堂という会社です。産経新聞ですぐれた俳句や短歌を紹介しています。」 「(ちょっと疑問)あの、産経新聞社さ…

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1月~10月 俳句/短歌

長いことこの「まとめ」をアップしていなかったことにいま気づいた。 【いつものようにあなたの気に入った作品を三つ選んで頂けると作者が喜びます】 註:短歌には「性愛短歌同好会」に出詠した歌が含まれています。 --------------- 買初めはビールを二本ピザ二枚 冬木立捨てられなかったペンダント フォーク光るあの人を救えなかった翌朝 行き着けば廃屋ひとつ春霞 草萌えてギターの弦…

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10~12月 俳句/短歌

月昇る刻伯林へ出航す 林檎捥ぐ袖に刺青覗かせて 嘘の下手な君を送って星月夜 この里が祖母のふるさと雁の空 秋蝶行く復元されし江戸の橋 ペアルックのジーンズ阿蘭陀屋敷より ペンギンになりたい今朝の寒さかな 余命無き母の句集の届く秋 空に棲むものにも冬の光かな 君も僕も古希になるのかさつま汁 狸らの密談終わりぬ冬の月 君はただ毛糸の帽子傾けて 葱きざむ中島みゆきの恨み歌 流…

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7月~9月 俳句

蛙鳴く頼むから何か言ってくれ 長梅雨やもう回らない観覧車 元気でと烏丸四条は夏の午 梅雨明けて無縁墓にも草の花 日傘くるくる展望塔へ続く道 黙祷のあとは静けさ茄子畑 背番号20きみの一度きりの夏 瞬きもせず蒼天に案山子立つ 蜩の社に孫を連れて行く 花野揺れ語るべきこと失ひき 留萌より返信はなく南瓜切る どこまでも道は海沿いひつじ雲

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4月~6月 俳句/短歌

1.ローズティー今日をなかったことにする 2.お互いに歳をとったね亀の春 3.花の丘南を向けばみなみ風 4.白球のフェンスを越えて夏の空 5.あの朝のあやめの前で待ってます 6.白菖蒲哀しみが透き通る朝 7.返信はついに来なくて梅雨晴間 8.ふわとろのスクランブルエッグ梅雨晴間 9.竿いっぱい野良着乾いて梅雨晴間 10.ピアスなんか冷凍庫に入れて帰るなよ 11.柳の幹の色…

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1月~3月  俳句/短歌

おそろいのミトンつないで帰る路 マフラーを外し60階へ行く マンボウの口開けて見る初日の出 風花の屋上ピッコロを吹く少女 小雪降る白壁に掌を触れてみる 埋火に吸殻を捨て去りし人 キリン眠るサバンナの雨を夢見つつ 大寒のしっぽの切れた老蜥蜴 空に小さきクルス散りばめ鶴帰る 保育士も園長も児らも青き踏む 君の乗る列車を待てば春の雪 大根を葱を凍らせ今朝も雪降る 百グラムのパス…

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読者の皆さま、もしおひまでしたら

いつも日記を読んで下さり、拍手やコメントも頂いておりますこと、とてもありがたく感謝しています。ありがとうございます。 日記を書く頻度が減り皆さまの日記へのコメントもめったにしないのはうつ状態なのだからですが、おかげさまで一時期に比べればごく軽く、日常生活にもときおりの不眠以外は特に不便もなくなんとか正常に生きております。 ところで、現代俳句協会の月刊誌「現代俳句」に「昨年の句の中から、春夏…

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俳句 9~12月 /五行歌 10~12月

柿剥いて故郷の川の話など 八年の介護を終えて柿を剥く 鹿威しひととき児らを黙らせて 蜜柑むいて本土の人と船を待つ 半世紀前の抱擁セロリの香 あの頃のショールを巻いて逢いにゆく はみだしたセロリの香り午後のバス 放送室と同じ高さの冬茜 門からは銀杏黄葉の続く道 珊瑚樹のどうと倒れて冬茜 目印に海砂利水魚置いておく 河馬の先ラマを曲がって突き当たり 風花の銀閣寺道を若女将 …