夕桜薄靄にそっと包まれて



 なみなみとつがるる酒や夕桜 山田春生

 米櫃の米の起伏や夕桜 深川淑枝

 夕桜薄靄にそっと包まれて  アロマ

 透けてゐる先は浄土や夕桜   沼田巴字

 考へし脳を休めん夕桜 稲畑汀子

 月いまだ和紙の淡さや夕桜  手島靖一

 花びらに花びらの影夕ざくら 阪上多恵子

 夕餉の窓に見るかな宵桜   アロマ

 飛鳥川水より暮れて夕桜 門伝史会

 子の姿消えし砂場の夕桜 佐藤瑛

 出来事の夢まぼろしか夕桜  黒川悦子

 シャンパンの栓の飛びたる夕桜  後藤比奈夫
 
 夕桜シフォンのドレス謎めいて  アロマ

 夕桜知多半島の見ゆ