呑兵衛爺の暮れ暮れ草(12) 新聞のコラムを読んで

今日の中日新聞朝刊にある歌人 岡村隆 のコラム「けさのことば」を読んだ。
「だからわかっていることはけっして書こうとは思わない」
これは批評家の神様と言われた小林秀雄が哲学者の田中美知太郎との対談の中で語った文章で小林秀雄対話集の中に在る。「結論がどこへ行くかわかってしまえば、自分でもおもしろくないですね」
私も小林秀雄のベストセラーになった評論集「無常といふ事」を20代前後で読んでいる。否、目を通しているというべきかも知れない。当時は全く理解の範囲外で内容をつかめなかったのである。前文は彼なりの逆接的とも取れる高踏的な自論であろうが、私はわからない未知