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よくあるご質問

幸福の尺度

1月5日の東京新聞「座標変換」欄で麗澤大・大橋照枝教授が触れた幸福の尺度は多くのことを示唆してくれています。

 話しの中に、国民総生産・国民総幸福量という言葉が出てきましたので、まず、それらについて私の調べたところを記します。国内総生産(GDP : Gross Domestic Product)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額であり、GDPの伸び率が経済成長率であるとウィキペデイアは説明しています。日本の経済成長率は56−73年度平均9.1%、74−90年度平均4.2%、91−99年度平均0.8%と年度を追うごとに低下してきています。56−73年度の平均成長率9.1%が日本を米国に次ぐ世界の経済大国に押し上げた原動力と言えるでしょう。そして、同時に私たちも物質的に恵まれた生活を送れるようになりました。しかし、会社の業績が良いときはそれなりに仕事も増え、残業をしてこなさなくてはならないし、物心両面で豊かな生活を送れるようになったと実感する人は少ないのではないでしょうか。国内総生産の数値は決して心身にとり豊かな生活を示す指標にならないと、1972年ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱したのが「国民全体の幸福度を示す尺度としての「国民総幸福量」(Gross National Happiness)です。金銭的、物量的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれました。現在、ブータン政府は国民総幸福量の増加を政策の中心として、その成果を客観的に判断するための基準にしているそうです。以上を背景に大橋教授は次のように述べています。

 「GDPは人間の幸福や満足に関わりなく金が動くと全部経済効果に足してしまう。戦争や交通事故、自殺、離婚も経済効果にプラスになる。(中略)逆に家事、育児、介護など家庭内のやりとりは支払いが生じないのでGDPに加算されない」「(ブータンでは)四人に一人が貧困なのに、2005年の国勢調査では97%が幸せと言っている。ブータンはチベット仏教(カギュ派)が非常に深く浸透している。小さい子から高齢者までちゃんと理解して信じている。その中で一番大事なのが互助互恵、お互いに助け合うこと」「首都のティンプーには職がない若者も少なからずいるが、物乞いやホームレスは一切いない。貧しい人がいればみんなで助け合う。助け合いのやりとりは、GDPにカウントされないが、ブータン人はそういうやりとりで幸福を実感する。家庭、学校、職場で人と人との絆を大切にすることを大事にしている。三世代同居の家族が多い」「人と人との心のつながりはどこまでも大事。互助互恵を日本社会に復活させるには家族、地域、近隣社会との絆が大事だ。現世代が幸福だからと全部消費し、将来世代につけが回るのでは、国がどんどん衰退し、幸せとは言えない。持続可能な発展が担保されないといけない」

 国民総生産に基づく発展の指標は、家事、育児、介護など家庭内のやりとりを数値に換算してない点に欠点があり、現代社会の心の休まらないぎすぎすした関係はまさにその大事な部分が欠落しているところに原因があるのではないか、と私はおもいました。日本も国民総幸福量を真剣に検討すべきときに来ているのではないか、と思うのは私だけでしょうか。

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