宮本武蔵4

代議士と 士は付くものの 意趣返し
 悲しからずや 頻繁にあり

★『宮本武蔵第5巻』(吉川英治/中央公論社)を読みました。

《手前はある志を抱いて、数年間、諸国の神社や旧家を訪れ、古刀の良いものを観ようものと歩いた事がありますが、古来有名な刀で満足に秘蔵されているものがあまりに少ないので悲しくなりましたよ。――例えば、信州諏訪神社には三百何十口という古来からの奉納刀がありますが、この中で、錆びていなかったのは五口ともありませんでしたな。又、伊予国の大三島神社の刀蔵は有名なもので、何百年来の所蔵が三千口にも上がっておりますが、およそ一ヶ月も篭って調べた