老老介護

病院で定期健診を受け、支払いの順番を待っているロビーの出来事です。

 車椅子に座ったがっしりした体躯の老爺が、連れ合いらしい老婆に右指を突き出して激しく何かを指図していました。少し離れていた老婆は、急いで車椅子に戻りましたが、老爺の言うことが無理な注文であったようで「そんなこと言ったって・・・ですから」と、細い身体ながら強い語調で反論しました。老爺の指示に取り敢えず従うかのように老婆はむっとした表情で、車椅子を押して去って行きましたが、その状況から家庭内でも日々このようなささやかな諍いを繰り返していることが容易に推察できました。

 二人の白髪や老婆の