すべての道はローマに通ず

堀田善衛著『歴史の長い影』筑摩書房、饗庭孝男著『中世を歩く 京都の古寺』小沢書店、を読了。2日前に読み終わっていたのだけれど、書くことを億劫に感じていたのは血圧のせいだろうか。最近は少々高めなのだ。
 前書は、堀田さんが8年間に亘るヨーロッパでの生活の中で、現代から中世を見るという格好の環境で感じ取ったことを、多くは朝日新聞に書き送った原稿からなっている。
 柱立ては「歴史曼荼羅」(3編)、「在欧通信」(11編)、大江健三郎氏との往復書簡(7編)、「人、親しければ」(9編)からなっている。
 75年に『ゴヤ』の執筆が終わり、最初は北スペインのアストゥリア