素浪人の『万葉集漫談』(160話)…いつの時代も、恋は切ない。

(160) 足(あ)の音せず 行かむ駒もが 葛飾の
    真間のつぎ橋 やまず通はむ
      巻14・3387 下総(しもふさ・千葉県北部)の東歌
大意・ 足音をたてずに行く馬が欲しいなぁ、葛飾の真間に住む美女のもとに、真間の継ぎ橋を渡って、絶えず通い続けようものを。

解説・ 万葉時代の美女物語の中でも、葛飾の真間に住む乙女はたいへん有名でした。その美女のもとに密かに通う方法はないか…(笑)。 蹄の音をたてない馬で通うというのですから
当時としては富裕層の男ですね。 恋人のもとに密かに通う男の快感は、昔も今も変わっていないということでしょうか。こ