第5折々のうた

法華経を 説く鶯の めでたけれ
 若草色の 袈裟でなくとも  

★『第5折々のうた』(大岡信/岩波新書)を読みました。
※1984年は、春以降、10ヶ月ほど朝日新聞への連載を休んだんですね。この本には、1985年分が丸々入っています。推薦度★★★★です。

《街の雨鶯餅がもう出たか  富安風生(ふうせい)
…俳句は本来笑いや滑稽と深い縁のある文芸形式だが、正岡子規が俳句を近代精神に立脚する「文学」として再興して以来、この種の要素は寧ろ背景に沈む形になった。それに対し風生は軽妙洒脱な句風で現代俳句中抜きん出ている一人…。菓子屋の店先に早くも春を告げて並べ