『般若心経』の骨子  (十四郎:私訳)

【1】[色]即是空

 『般若心経』にこんな有名な言葉がありますね。

    色即是空(しきそくぜくう)

 ここに色(しき)とは、
    眼に見え、耳に聞こえ、鼻に香り、
    舌で味わえ、皮膚で触れ、心に意(おも)う
事柄、つまり「眼・耳・鼻・舌・身・意」の感覚世界を意味し、
    「その全ては所詮『幻』であり、どこにも実態は無い」
と、云っているのだと理解されています。
 では「実態が無い」とはどういうことか。
 これをもう少し正しく云えば、
    「永遠に不変不滅であるとか、恒常不変性という
    実態とか本姓は何も無い」
という意味