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よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(190話)…悲嘆に暮れる妻たち。

(190) 赤駒を 山野(ヤマノ)にはかし 捕(ト)りかにて
         多摩の横山 徒歩(カシ)ゆか遣(ヤ)らむ
     巻20・4417 椋椅部荒虫が妻・宇遅部黒女
     (クラハシベノアラムシ)が妻・(ウヂベノクロメ)

解説・ (防人として出征する夫を乗せるために)放し飼いにしている野の赤駒を捕らえようとしたのに、捕らえ損なって、あの(難儀な)多摩の横山をとうとう、歩いて行かせることになるのか。…と、悔しがる妻の悲嘆の歌です。
 ・はかす→放す。 捕りかにて→捕りかねて、の訛り。

防人には自己負担ではあるが、家人、奴婢、牛馬を伴うことが許されていました。 また、当時は夫婦別姓でした。
 椋椅部荒虫は武歳国(今の東京都)文京区、板橋区周辺)の出身です。

(190’) 我が背なを 筑紫へ遣りて 愛(ウツク)しみ
      帯は解かな あやにかも寝む
    巻20・4422 妻の服部アサ女(ハットリベノアサメ)解説・ うちの人を筑紫へ遣ってしまったら、愛おしく、帯を解くこともなく、無性に貴方恋しくて、(さびしく)寝ることになるのだろうか。…と、悲しみ嘆く妻の歌です。
 ・あやに→奇に→言いようもなく、無性に。
孤閨を保つ妻の、どうしようもない嘆きでしょう…。 

兵として徴用された防人(サキモリ)の、妻たちの率直な嘆きの声が聞こえて来るような二首です。

福島原発の現場で身の危険をおかして働く作業者や技術者たちを見守るご家族の悲痛な声が、聞えてきます。
東電さん、1500年も昔の話ではないのですから、事故は許されるものではありませんぞ! 安全管理を、厳重な上にも厳重にお願いします!

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