★ワンジーツーババ日記 〜最終章★

★3月27日(日)★

 口を大きく開け「ハァッハッハァ」と息が荒い。咽喉が乾くらしくしきりに口元に手をやる。スポンジに砂糖水を沁み込ませ唇につける。何滴かが咽喉の奥に落ち、それが溜りゴロゴロとうがいの時のような音がする。嚥下はもうできないから。

 今日は義弟の13回忌の法要がある日。
「お父さん(ツレのこと)はね。〇君(ツレの弟、義母の次男)の法事にいったの。おばあちゃんも行きたかったでしょう。でも私とふたりでお留守番ね」と耳元で私が言う。それが解ったかどうかは定かでないが少し微笑んだように見えた。

「じゃ ここでお線香あげて御参りしましょうね」と