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よくあるご質問

闇夜に聞える鐘の音。…素浪人の『万葉集漫談』(201話)

秘めやかな乙女の恋心を、かくも美しく、かくも優しく歌に詠んだ笠郎女の瞳が千年の時をこえてじーつと、平成の男女のメール交際を見つめているような…。

(201) うつせみの 人目を繁み 岩橋の
          間近き君に 恋ひ渡るかも
           巻4・597 笠女郎(カサノイラツメ)
解説・ 周囲の人様の目が多いのを気にしまして、すぐお傍にいらっした貴方に声をかけることもできず、またこうして密かに家持さまへの恋心をひとり募らせております。…という切ない乙女の恋心の歌です。
 ・うつせみの →「人」の枕詞で世間一般 →周囲。
 ・石橋の →「間近き」の枕詞→当時の石橋は川瀬に飛び石を並べ、歩くのにその間隔を短くしたことによります。

(201’) 皆人を 寝よとの鐘は 打つなれど
       君をし思へば 寝(イ)ねかてぬかも
           巻4・607 笠女郎
解説・ 人々よ寝る時刻だと,(夜十時の)鐘を打つのが聞こえてきますが、恋しい貴方さまのことを思うととても、とても、眠れるものではありませんわ。…という歌意。
 ・亥の刻(夜10時)になると、当時は陰陽寮所属の時守が、寝静まる時ですぞと、鐘を四つ打ち鳴らしていました。
  
笠女郎が聞いた鐘の音が今にも響いてきそうな錯覚を覚えます。そこにはもちろん、電気、水道のない世界が広がります。
夜十時を過ぎると、漆黒の闇が訪れる万葉時代です。
懐中電灯や携帯電話はむろんありませんし、交通手段もなく情報も途絶えます。
恋は、そうした世界でも、美しく花咲くもの! 
尤も、このお二人の恋は実ることはありませんでしたが…。

カテゴリ:ニュース・その他

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