聞き覚えのある足音が気になって、
起きてみると誰もいない。
しかし、確かに足音を聞いた。
念のため玄関に出てみると、
玄関の戸が半分開けっ放しだ。
「あっ!ママが戻ったんだ」
と思い台所に言ってみると、
やっぱりそうだ。
白い歯をきらきらさせて、
にこにこ笑いながらママが立っている。
「戻ってきたのか」
うれしくなって、力いっぱい抱きしめた。
まちがいなく家内の背中だった。
抱きしめた私の力が強すぎたのか、
二人揃って、台所にある勝手口に座り込んでしまった。
夢はそこで覚めた。
この前の夢は、
夢をみながら、
「これは、夢かもしれない」