万葉時代、後宮、女官の一つとして采女(ウネメ)という制度がありました。 少領以上の郡司の姉妹、子女で容姿端正な美女が、朝廷への服属、忠誠を誓う意を表すために、貢進させられたのです。
天皇は皇后,妃、夫人、嬪という妻たちのほかに、こうした全国から狩りだされた天下の美女、采女を寝所に侍らすことも多かったようです。 采女は、かってに男性を好きになることなど禁じられておりました。 『万葉集』には、この禁を犯して悲劇を醸した歌も結構あります。
さて、次の歌をご覧下さい。
(224) 采女の 袖吹きかへす 明日香風(アスカカゼ)
都を遠み