不思議な感覚

私が、その「不思議な感覚」に出会ったのは、
父が亡くなったその時であった。

ファザコンであった私は、父がいないと夜も日も
明けなかった。
その父が、あっという間もなく私の前からいなく
なったのである。
自分がどうかしてしまいそうで怖かった。

その時である。
父が昇華して私の中に入ってきてしまったような
不思議な感覚がした。
まさに「いつも一緒」という感じ。

その後、私は強くなった。
私を守ってくれるのは父だけだった。
母や妹弟は私が守っていかなければならないと
いつも思っていた。

私の中に入ってしまった父は、いつも私を奮い立たせて
叱咤激励してく