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よくあるご質問

『母・オモニ』姜尚中著(集英社)を読んで…。ー書中お見舞い申し上げます。

職を失って久しい。海外への旅にもご縁がなくなって、パスポートも今月いっぱいで期限が切れる。
だんだん歳をとっていくだけか…、という感慨が頭をよぎる。

『万葉集』を読みながら日中関係、日韓関係にも心が動き、そうした因縁の史跡を訪ねてみようかという矢先、一方で衰えて行く体力などを考え合せて思いは複雑な近況ではある。

さて、夏の暑さの中での節電生活にもようやく慣れようかというこの頃、ふとテーブルに置かれた見慣れぬ表装の本に手を伸ばした。それがこの本『母・オモニ』である。
どうやら家内の読みさしの図書らしい。

東大教授という肩書きをもち、NHKの日曜美術館の解説者としても知られる姜尚中(カン・サンジュ)の著作、『母・オモニ』。
日韓という抜き差しならぬ、想像を超える苛酷で非道な環境を克服し、強く生き抜いたご両親と、著者。
 ーそして著者の「母・オモニ」への思いである。

物静かなインテリで、紳士というイメージの著者の生い立ちの厳しい現実に、まず呆然と立ち竦んでしまった。中国や韓国の学校教科書などを読んで、薄々は分っていた日本軍部の非道を改めて痛感させられる。
しかもその人為で築かれる生き地獄とでもいうべき、苛酷な運命を甘受し生きていかなければならなかった一群のひとびとの悲しみが浮き彫りになる。 著者にはそうした悲劇の部分にメスを入れたり醜悪な日本人のありていの姿を暴こうという意思は見られず、ただ、「母・オモニ」への思いを綴るのである。
それが読者には一層応えて、いろんなことを考えさせられる本であった。
父母、母国、故郷、親族兄弟、友人関係等など…兎角、最近の日本人が忘れかけかけようかとする問題を意識させ、国と国の関係、異民族の融和問題など考えさせられて忘れ得ぬ一冊である。
文脈が何処かちぐはぐで、表現もどたどしい側面を否めないがそれが却って、事態の緊迫感、信憑性をつよくして読者、私の胸に迫ったのかもしれない。

暑い一日の読みものにしては、随分重い課題を抱えさせられた本ではあるが、老い先の短い人間にも墓場の向こうまでも携行すべき図書の一冊として肝に銘じておきたい。

いやぁ、TVに、新聞に、ナデシコジャパン優勝のニュースが巷にあふれ始めた!

コメント

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