親、親族を殺した敵を夫とした倭姫(ヤマトヒメ)皇后の挽歌。…名歌200選(54)(55) 素浪人の『万葉集漫談』(246話)

思えば激しい皇位継承の戦いが繰り広げられた時代でした。

745年の夏、蘇我入鹿を斬殺し蘇我一族を滅ぼして、大化の改新を推進した中大兄皇子(ナカノオオエノオウジ・のちの天智天皇)と中臣鎌足(のちの藤原鎌足)です。
公地公民制度を推進し、国・郡・里制を設けて中央集権を強化し、戸籍の作成で強力な税制の確立など財政面の盤石化で、国力を飛躍的に高めるきっかけとなったのが大化の改新です。民は高税を搾取され労働や兵に駆り出されて悲惨な生活を強いられますが、強大な国家権力の前には如何ともできませんでした。

この時代、強力な国家権力の前には、すべてが正当化され、それだ