3、大原美術館と児島虎次郎

今回の旅の大きな楽しみのひとつにしていた大原美術館のことを、さらりと記しただけでは何か気の抜けたようで、もう少し書き留めておこうと思う。
 大原美術館は1930年、大原孫三郎によって児島虎次郎を記念して作られたものであった。今年がちょうど80周年になるが、10年前の創立70周年を記念して『大原美術館紀要』が編まれた。今回、その『紀要』と『大原美術館?=児島虎次郎』の画集を求めた。『紀要』は、B5版242頁で「大原美術館コレクションの起源」と題した武蔵野美術大学芸術文化学科 岡部あおみ教授の論文と、102点の作品解説が140頁に亘り、作品番号、タイトル、制