4、米子に向かう

倉敷駅で駅弁を買い、12:10発の特急やくも11号に乗車。瀬戸内から日本海に向けて北上、米子には14:13着の予定。新婚旅行のときもこの伯備線だったが、旅行社の手違いで特急指定券が翌日になっていると、検札に来た車掌さんに教えられたことを思い出した。
 あの時と同じように、指定席は空席が多い。弁当を拡げて缶ビールを飲みながら、ときどき線路に寄り添って流れる川と迫り来る山の緑、開けた空間に点在する集落の屋根の黒や茶色の瓦と白壁を目にし、広告のない素朴な景色の新鮮さに気づかされたものだった。
 何時しか川の流れが逆になり、列車の進行と同じになっていた。分水嶺を