光武帝劉秀

宮城谷昌光の「草原の風 上巻」を読了した。本書の主人公は、後漢王朝の開祖である光武帝劉秀であり、本巻では、劉秀の常安(長安)留学から、王莽に抗して決起するまでが描かれている。
 劉秀は、王族の末裔とは名ばかりで、幼くして父を喪い、家が貧しいため、叔父の家で養われていたが、篤実な性格を認められて、都の常安に留学することになった。留学を目前に控えた劉秀は、祭事の宴に招かれて、地元の豪族である陰氏の館を訪れることになった。陰氏には、麗華という名前の美少女がおり、彼女は、周囲には秘密にされているが、高名な占い師に、将来は皇后になると予言されていた。その麗華が劉秀