我が心の叫び

米澤穂信の「氷菓」を読了した。著者は、ミステリー作家で、いわゆる日常の謎を扱った爽やか系の青春ミステリーが多い。本書は著者のプロ作家デビュー作で、「古典部」シリーズの第一作であり、高校生を主人公とした著者お得意の青春ミステリーである。
 神山高校に入学した折木奉太郎は、省エネ主義をモットーとしていたが、OGである姉の供恵の勧めで、廃部寸前の古典部に入部する。プライベート・スペースのつもりで部室に出掛けた奉太郎は、そこでもう一人の新入部員千反田えると出会う。えるは「一身上の都合」で入部したと説明する。ところで、奉太郎が部室に入った時、部室には鍵が掛っていた