外面如菩薩内心如夜叉

米澤穂信の「ふたりの距離の概算」を読了した。著者は、ミステリー作家で、いわゆる日常の謎を扱った爽やか系の青春ミステリーが多い。本書は「古典部」シリーズの第五作である。本書では、高校2年生となり新入生を迎えた古典部員達の前に現れた入部希望の女子高生が、突然入部を断って来た事件が描かれる。
 神山高校の春のイベントのマラソン大会の前日に、古典部に仮入部していた大日向友子が本入部を断ってきた。どうも部長の五反田えると何かトラブルがあった模様である。本入部の締め切りは、マラソン大会の当日である。折木奉太郎は、マラソンを走りながら、過去の経緯を回想し、友子の心変わ