ますます深まる母親の謎

三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖 3」を読了した。著者は、ホラー系統のライトノベル出身の作家であるが、本シリーズの第一作が2012年に本屋対象にノミネートされてからは、ミステリーも手掛けている。本シリーズは、北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」の女主人篠川栞子とその店の従業員である五浦大輔が出会う様々な古書に纏わる謎を、古書に対する膨大な知識を有する栞子が解くという、ミステリーの連作短編集であるが、本書では、前作で登場した栞子の母智恵子についての秘密が、徐々に明らかにされて行く。
 プロローグ 「王さまのみみはロバのみみ」:栞子の妹文香がストレス解消の