相触れて帰り来たりし日のまひる天の怒りの春雷ふるふ
川田順
君かへす朝の舗石(シキイシ)さくさくと雪よ林檎の香のごとく降れ 北原白秋
何れも世間的には許されない、人妻と深い仲になった、明治生まれの大歌人。
川田順は人妻であった鈴鹿俊子と愛を深め、苦しみ、自殺を図るなど、厳しい試練を越えて、やがて彼女と結婚する。
天の怒りの春雷ふるふと、悪事と知りながら、どうしようもない男の心の怒りにも似た激しい叫びだったか。
白秋は松下俊子との愛に、姦通罪まで問われ