ストーカーの再登場

三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖 5」を読了した。著者は、ホラー系統のライトノベル出身の作家であるが、本シリーズを上梓した以降は、ミステリーも手掛けている。本シリーズは、北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」の美人女主人篠川栞子が探偵役、従業員の五浦大輔がワトソン役の連作ミステリーである。本書は3篇の短編からなる連作短編集で、前作において告白を受けた栞子と大輔との仲の進展と、相変わらずの栞子母娘の確執が描かれている。
 プロローグ リチャード・ブローティガン「愛のゆくえ」:栞子に告白して二ヶ月が過ぎ、待ちきれずに返答を迫る大輔に対し栞子は、5月一杯に答え