連載:展覧会など

メトロポリタン美術館 古代エジプト展―女王と女神

連日猛暑の日々が続く。うだるような暑さだ。けれども、思い立って、タイトルにある展覧会に出かけた会場は東京都美術館だ。昨8月6日のことだった。その心覚えを、この日記に記すつもりだった。ところがその帰途、理研の笹井芳樹副センター長の自殺を知り、急遽そのことに関わる感想の一端などを記すことにした。
 展覧会の鑑賞の記憶は、時間が経てば経つほど、その鮮明さが失われていく。そこで、遅まきながらメモをここに記しておこうか。

 メトロポリタン美術館は、アメリカを代表する美の殿堂だ。かつて米国留学中、日々の研究・勉学に集中しており、また幼児を抱えて、遂にニューヨークの