宮本昌孝の「剣豪将軍義輝 中 孤雲ノ太刀」

★3.3 中巻では義輝と改名した19歳から、回国修行の旅に出た2年間を描く。三好長慶に京を追われ、朽木谷を仮御所とした天文23年(1554年)、これを好機ととらえ、浮橋(朽木家の忍び)を供に旅に出る。

平戸の倭寇の親玉・王直に招かれ、美濃の斎藤道三、甲斐の武田晴信、そして鹿島の杜に籠っての600余日の修業、最後は道三窮地を救おうと出陣した信長に。

戦国期の一断面を、回国という名目で各地の情勢を繋げて見せる物語のテクニック、上巻とはまた違った趣である。今回は王直が出てきたせいか、白石一郎の匂いを感じた。

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