「宮本昌孝」の日記一覧

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宮本昌孝 の 天離(あまさか)り果つる国 上下

★3.3  2020年12月5日のブラタモリの舞台は白川郷、その日に読み始めたこの物語に何か因縁を感じる。そして、岐阜と富山はかつて勤務した地でもある。 〈上巻〉 白川郷を舞台とした戦国伝奇の娯楽作。帰雲城の近くで、何者かに襲われ難を逃れた赤子は、竹中半兵衛と喜多村十助の主従に救われた。十助の子として育てられた七龍太は、信長の命で白川郷の領主・内ケ嶋氏理の目付として派遣された。白川郷の領民は皆…

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それぞれの初陣

 宮本昌孝の「武者始め」を読了する。著者はアニメの脚本家出身で、作家としてはSF畑でデビューしたが、現在は時代小説作家である。本書は、戦国時代から江戸時代初期までを彩る七人の武将の様々な武者始め(初陣)を描いた時代小説の短編集である。  「烏梅新九郎:主人公は北条早雲。伊勢新九郎盛時(後の早雲)は、幕府申次衆である伊勢盛定の子息であるが、姉の北川殿が駿河守護の今川義忠の正室として駿河に下向するの…

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宮本昌孝 の おねだり女房  影十手活殺帖2

★3.3 シリーズ2作目。4つの連作短編。久しぶりの続編が図書館で目について読むことに。前作は餅菓子屋のことしか覚えてなかったが、読み進めるうちにだんだんと周辺が見えてきた。野村市助という男の面白さも。 例によって東慶寺の寺役人・野村市助と門前の御用宿で餅菓子屋の倅・和三郎の活躍譚。東慶寺に駆け込む女たちの裏事情を探り、問題解決を図る。 和三郎はその昔、秀頼の正室・千姫を密かに守護した夏見平…

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宮本昌孝の「風魔外伝」。

★3.3 革袋から顔をのぞかせた龍姫とそれを引き上げる小太郎。またしてもこのシーンで始まる「外伝」。 5編からなる本作品も、最初の「魔王の風」のみに小太郎が登場、信長・家康の武田掃討戦後の北条方の使者の警護で信長に対面。他の編は関係者でのスピンアウト編で、吉原総代の庄司甚右衛門、古着商の富沢甚内などが活躍する。そして氏姫の娘・褐姫も女剣士として活躍。 最後の「南海の風」にはなんと、シャムに渡…

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宮本昌孝の「剣豪将軍義輝 下 流星ノ太刀」。

★3.3  2014.9.13日付の日経新聞に掲載された、時代小説ベスト2(歴史小説流通界の専門家11名が選ぶ存命中の作家の作品)という順位に目を留め読み始めた。 将軍義輝を主人公に、架空の愛すべき手下を駆使し、その活躍を描く娯楽作。将軍家と管領家ともお家騒動が絡み、そして細川家の家臣でありながら下剋上を演じる三好長慶と家宰の松永弾正、この下巻では義輝と松永弾正との水面下の攻防を主として描いて…

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宮本昌孝の「剣豪将軍義輝 中 孤雲ノ太刀」

★3.3 中巻では義輝と改名した19歳から、回国修行の旅に出た2年間を描く。三好長慶に京を追われ、朽木谷を仮御所とした天文23年(1554年)、これを好機ととらえ、浮橋(朽木家の忍び)を供に旅に出る。 平戸の倭寇の親玉・王直に招かれ、美濃の斎藤道三、甲斐の武田晴信、そして鹿島の杜に籠っての600余日の修業、最後は道三窮地を救おうと出陣した信長に。 戦国期の一断面を、回国という名目で各地の情勢…

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宮本昌孝の「剣豪将軍義輝 上 鳳雛ノ太刀」。

★3.5  上巻では義藤と呼ばれた12歳から、義輝に改名した19歳までを描く。 時代は管領家の六郎春元派と将軍家を擁する同じ細川家の典厩二郎派との戦いに始まり、その後の六郎春元、三好宗三連合軍と三好長慶を旗首とする三好4兄弟の戦いを描く。 犬神人の熊鷹、娘・真羽との出会い、侍女・お玉との絆、更には若き日の日吉丸、明智光秀、細川幽斎なども登場。 また、義輝に剣の師匠として仕える朽木鯉九郎と同…