ダイアナの名に籠められた思い

柚木麻子の「本屋さんのダイアナ」を読了した。著者はオール讀物新人賞を受賞してデビューした小説家で、本書は2014年直木賞の候補作にノミネートされている。本書では、小学3年生の時に知り合った読書好きの二人の少女ダイアナと彩子のその後の人生が描かれている。
 読書好きで大人しい矢島ダイアナの本名は、漢字の「大穴」である。母親が競馬好きの父親と相談して付けた名前であるが、ダイアナはそれを嫌っていた。ダイアナの母親の有香子はキャバクラ嬢で、店で使っているティアラと言う名前が好きで、娘にもその名で呼ばせている。結婚せずに、6歳でダイアナを産んだティアラは、凄い美人