心の歳時記  〜冬〜

冬・・・



昔、愛する人と一緒だった頃は
この季節は大好きでした

どんなに空気がシバレていても
いや、シバレていればいる程
握り合った手は温かでした



独りぼっちだった頃は
この季節は大嫌いでした

どんなに厚いコートを着ても
起毛の手袋を穿いても
ポケットの中の手は冷たいままでした



子供が出来てからは
こんな季節も悪くはないなと思いました

降る雪を見てはしゃぐ子供
かじかんだ手をそっと包んで温めた時
これが幸せなんだと感じました



冬を好きになったり、嫌いになったり

そんな事を繰り返しながら
それでも
縁を切る事も出来ず
縁を絶